伸びやかな加速感。
意のままのコントロール。
しなやかなライディングの実現。
この三つを達成するために、フレーム剛性のチューニングが必要でした。
その解答の一つに、トリプル・トライアングル・フレーム構造という革新的なデザインを開発しました。
また、どんな道路シーンに置いても明確なレスポンスを発揮するために、国内の道路事情を考慮した設計ジオメトリを取り込んでいます。
その道路事情とは、国内に平坦が少ないということです。
常に登り下りを繰り返すという道路事情に重きを置き、登り坂では力強いトルクを、下り坂では自然なハンドリングの実現を目標にしました。
そこで開発したのが、ヘッド部、メインフレーム部、リヤフレーム部をトライアングル構造とした「トリプルトライアングルフレーム」。これは、少ない材料で大きな入力を受け止めながら剛性を得ることのできるフレーム構造です。このデザインは高い剛性を追いかけただけでなく、リアエンドにかけてはしなやかさを持つようサイズの異なるフレームチューブを配置し、前後の剛性バランスの最適化を行いました。
実際の乗り心地は、大きなペダリングトルクが発生する登り坂では、真円チューブが自然なネジレを発生させ、ペダリングにリズミカルなテンポを与えます。特に国内で最も多い勾配である、上り勾配の3~5%程度の勾配において最大ペダルトルクが発生し、上半身はリラックスしている状態が感じられるようにデザインしています。
逆に、スピードが高まりやすい下り坂では、直線は安定しつつも、コーナーリング時は機敏さが感じられる懐の深いハンドリングを楽しんでいただけます。コーナーリングのきっかけを作るブレーキングで起こるフロント荷重の動きに対し、フレームがしっかりと反応できるように剛性を高めた一方、遠心力がライダーに届く次の動きには、リアフレームが動きに連動して、しなやかにサポートするような自然なネジレを発生させるチューニングを施しています。
このように、走行する道路の傾斜やバイクが発生する遠心力を活かすライディングが楽しめるのが、トリプルトライアングルフレームです。